灰色の殴り書き

昔の言葉で言うならチラシの裏です

てめえに魅力がないのなら(自分語り・後編)

直近二つ、ひたすら自分語りをする記事を書いたけれども、その途中で大切なことに気付いた。それを最後に書き記して、ハッキリさせておかないことには、どうしても終われない。

 

お前は気付いているか?お前は、一つだけの、最後の最後に守るべきラインを、踏み外そうとしているぞ。一つだけの、忘れてはいけないことを、忘れかけているぞ。

 

この記事はその補足と反省と自戒なのだが、普通の文体では上手く書けなさそうなので、こういう形にする。いつものに輪をかけて読みづらいと思うが、自分から自分に向けた文章を記録のためにアップしているようなものなので、読者の方はどうか許してほしい。言ってしまえばマッチポンプなんだけど、どうしても思考の軌跡を残しておきたいのだ。

 

本題。お前の自分語りだけどな、露悪的になって語彙の限りを尽くして自分に酔うのは構わないよ。過去のことだって、個人名さえ出さなければ好きに話しゃいい。お前が自分を無価値だと思い込むのも、もうそうそう変えられないだろう。愛されたくて仕方がないのも、見苦しいけど別にどうでもいい。誰かを好きでいることにしがみついていないと立ってられないのも、みんなドン引きするだろうけど、この際構わないだろう。自分のためのブログだからな。

 

ただ一つだけ、許しちゃいけないことがあったから、それを言っておくぞ。

 

自分の言葉に影響された人のことだけは、ちゃんと考えていろ。

 

どういうことか、これだけでもお前だから分かるだろう。でもきっちり書いておくぞ。

 

自分に嘘をつかない。それはまあ、もう無理だな。

 

人に嘘をつかない。これも正直難しいよ。好きな人たちには、嘘をつかないように生きていきたいけどな。嘘にも結構頼ってずっとやってきてるからな。

 

ただ、人に向けた自分の言葉を後から嘘にするのは、絶対にダメだ。誰も聞いてないのを取り消すのはどうでもいい。そうじゃなくて、お前が誰かにかけた言葉を、嘘にしてしまうこと、その意味をなくしてしまうのだけは、してはいけないことだ。

 

Twitterも、ブログも、一人でずっと好きなことを書いていると思っているけど、必ずしもそうじゃないみたいだ。俺の文章が好きだとか、書くのが上手いとか言ってくれる優しい人たちがいる。納得した、興味を持った、って言われるのが嬉しい。

 

ごく稀にだけど、俺の記事を読んで泣いた、と言ってくれる人までいた。救われたとまで言ってくれたこともあった。人を救うってのは、途轍もないことだ。些細なきっかけを見つける手助けだけだったとしても、昔の俺には考えられなかったくらいの凄いことだ。

 

言葉を記していて、これほど嬉しいことが他にあるかよ。ないだろう。

 

お前の人生で、これほど嬉しいことが他にあったかよ。なかっただろう。

 

いつも、内容のほとんど全ては思いついたまま、気の向くままに書いているだけだ。それは俺の感覚では当たり前に思えること、言うまでもないちっぽけなことだったり、やたら説教くさかったり、誰に向けてるのか全然わからなかったり、自分から見てもまとまりがなくて見苦しい書き散らしだったりする。

 

それでも、誰かがそれを読んでくれている。これはすごく嬉しいことだ。誰も読んでなくても構わない、書き続ける、と言ったけど、それとは別で、読んでくれる人がいたらそりゃあ嬉しいに決まってる。

 

特に最近は、心を剥き出しにして、全身全霊を注ぎ込んで書いてるからな。それを読んでもらえるのは、俺が必死でやってることが誰かに伝わっているってことだ。俺の人生が、考えの一番生のところが、伝わっているってことだ。そりゃあ、嬉しいよな。

 

それだけじゃなく、読んで誰かが感心してくれたり、いいと思ってくれたり、心で何かを感じてくれたりしている。自分のために、自分が言いたいことを書いているだけで、誰かにそこまで真剣に受け取ってもらえるなんて、想像もしてなかったほどの幸せだ。

 

だからこそ、その人たちに対しては真摯なままでいろ。お前は本気で書いたんだろう。だったら、お前の言葉までも全て無価値だと、薄っぺらのハリボテだと言うのは、やめるべきだ。

 

お前の言葉が響いた人がいるのに、お前がその言葉を否定したら、それに心を動かされた人はどうすればいいんだ。折角、聞いてくれたのに。受け取ってくれたのに。

 

自分の言葉に責任を持て、と誰もが言う。ハッキリ言って、俺には全部は無理だ。言葉の量が桁違いだからな。考えも変わっていくし、もっと適切な言い方があった、いい言葉を選べた、なんであんなことを言ったんだろう、そんなことを寝る前に思い出すのも毎日だからな。だから、全部の言葉に責任は持てないよ。

 

ただ、誰かに届いた言葉にだけは責任を取れ。そのことまでを否定するな。自分自身に魅力がないと信じるのはどうでもいいし、好かれる価値がないと思うのも自由だけど、誰かに届いた言葉を後から無意味だとか、無価値だとか、そうやって否定するのはやめろ。

 

人に届いた言葉、誰かの心に残っている言葉を、自分から嘘にするな。

 

じっくり思い返してみれば、今まで俺の言葉に喜んでくれた人も、一人や二人ではないだろう。話を聞いてくれてありがとう、尊敬している、自分に必要な言葉をかけたもらえた、そう言ってもらえることも、少しはあっただろう。

 

振り返れば、それもみんな同じことだったじゃないか。俺の言葉が、少しだけでも、一時的にでも、人の役に立っていたってことだろう。少なくとも、そういうときは、いつでもマジだからな。

 

お前がクズのままで変わってないとしても、俺に救われたと言ってくれる人は、絶対にクズなんかじゃないだろう。だったら、その人を救った分だけは、少なくともお前もクズじゃないってことだ。それだけの力はまだあったってことだ。

 

365日ふざけ倒してても、根っからの詐欺師体質でも、大事な人に語りかけるときは、大事な人の話を聞くときは、必ず大マジで真正面から行くからな。

 

そうしてきたから、本気の言葉が、オーバーでも暑苦しくても滑ってても、何回かに一回、何百回かに一回はちゃんと届いてた、響いてたってことなんだろう。

 

お前にあるのは、これだけだ。俺自身に人を惹きつける魅力がなくても、俺の言葉の中には、人に伝わるものがあった。人の心に残るものがあった。

 

俺にあるのは、誇れるのは、これだけだ。そうだろう。だから、いつでも嬉しかったんだろう。次はもっと上手く伝えようと思うんだろう。それだけが本当の、俺という生き物の拠り所だ。

 

俺が存在している理由を掘っていって探っていって、そうして残った唯一のものは、これだ。鍛えに鍛えた鋼だ。研いで研いで研ぎまくった刀だ。一頭の牛からわずか50gしか取れない希少部位だ。周りを削って削って削りまくって作った、精米歩合0.1%の日本酒だ。

 

とにかく、言葉で誰かにプラスの影響を与えられること、それが俺にとってたった一つの、本当に大切にすべきこと、揺るがない地面だ。壊しちゃいけない、俺が俺でいるために必要なものだ。

 

だからこそ、それを嘘にしちゃダメだ。お前のことはどうでもいいけどな、俺がどんな人間かは二の次だけどな、俺の言うことを信じてくれた人には、それを後悔するようなことは言っちゃいけない。

 

見苦しい姿を見せることもあるし、気持ち悪いと思われて、ドン引きされることも数えきれないほどあるだろう。それはもう仕方ない。とてもとても、理想の姿じゃいられないからな。

 

ただ、自分が誰かに向けた言葉にだけは、常にマジでいろ。その人たちを裏切るな。私が聞いたあれは真剣なフリした嘘だったんだ、と思わせるのは、そうして信じてくれた人を失望させるのは、絶対に許されない。

 

それをやってしまったら、お前はクズでさえない、何者でもないものになる。それは即ち、俺自身の存在を否定することだからだ。俺を俺として生かしてくれている理由を、俺が否定することだからだ。

 

何やっても長続きしないお前でも、いつも真剣になれないお前でも、大事な人と話すときはいつも本気だろう。大事に思うことを伝えるときは毎回本気だろう。数少ない、マジになれることだよな。

 

だいたいいつも、マジになるのは親しい人たちのことだけだ。仕事で金を稼ぐことなんかより、よっぽど本気だ。笑わせるのも、一緒に怒るのも、悲しむのも、悩むのも、そうして言葉を伝えるのも、全部常に本気だ。だからやっぱり、それを否定しちゃダメだ。

 

とりあえず、ここで一つだけ認めようぜ。お前の本性がどうあれ、生い立ちや思想がどうあれ、その言葉が届いた人がいる。少なくともこの一点に限っては、俺は無価値じゃない。無意味な存在じゃない。てめえに魅力がないとしても、それだけは認めて、そこからもう一回始めよう。

 

 

もう一回始めよう。俺は、常に喋らずにはいられない。ここでも何回も言ってるけどな。それはもう病的なレベルだけど、それでも、喋るのが好きでやってるんだぜ。嫌々お喋りするなんてことは、嫌いな相手じゃなければまずない。呪いとか言ったけど、このことはそんなに悪くないと思ってる。

 

しかも、最近は割と追い詰められても大丈夫ってことも分かってきた。さすがにうつ発症して上手く話せなくなったときは焦ったけどな。でもリハビリに付き合ってくれた人のおかげで、元通りになったよ。この間の月曜だって、妻と訣別して、耐えられなくてブログを書いて、でもその後は通話アプリで嘘喰いゴールデンカムイの話を笑いながらしてたからな。

 

だからって辛かったのが嘘だったわけじゃないし、苦しみが全部消えてもいないよ。でも、どうも楽しい話をしたい、マシンガントークをしたい、笑わせたい、っていう本能は、結構強いみたいだってことが分かったな。完全にヤバい奴だけどな。

 

ブログ書くのも楽しくなってきたよ。もはや、やってることは露出狂みたいなもんだけどな。読んでますって言われるのが嬉しくて、何でもいいんだと思ったら、肩の力が抜けたのかどんどん書きたいことが出てくるようになった。喋るのほど早くはいかないけど、楽しい。

 

今まで自分の全裸の感情は恥ずかしくて出してなかったけど、やり始めたら止まらないな。しかも、タチの悪いことに俺は言葉が次々に湧き出して、長文がいくらでも書けるからな。

 

俺には他に何もないけど、やっぱり唯一人よりも上だと言えるのは、これだな。言葉のスピードと物量だ。いつも早口ってわけじゃないよ。ただ、考えるスピードと喋るスピードが普段から限りなく近い。

 

よほど悩ましい話でなければ、喋りながら考えて、考えながら喋って、着地点を探しながら軌道修正してる。それでも人より早くたくさん話すし、それなりに整った、論理的で筋の通ってるらしいことが言える。他人の気付かない点だの違う意見だのも割とスラスラ出てくる。プレゼンとかもたくさん練習したんだろうとか言われるけど、練習どころか原稿も書いたことないしな。目の前にどんだけ上の立場の人間がいても、多分アドリブでそれっぽく納得させられるよ。

 

これは、もしかしたら地味にすごいのかもしれないな。頭の回転がどうとかは知らないけど、考えながら喋るのに特化してスキルポイントを振ってきたんだろうな。時々やりすぎると熱を持ってバグるけどな。

 

まあでも、そう捨てたもんじゃない気もするよ。なんてったって口数が多い。あ、沈黙は金なんて言われても知らないよ。俺は灰色だからな。とにかく、何の苦もなく激流のように言葉を吐き出せるから、そりゃ数打ちゃ当たる、たまには人に刺さるのもあるってことだ。

 

やっぱり結構便利だな、これ。唯一の特技がこれで、とても人に言えるようなもんじゃないけど、でも歳取っても有用だからな。俺の3倍は喋るお袋がとっくに60超えてて、まだハキハキ話せる爺ちゃんが88だから、控えめに見積もっても70くらいまでは今のトークパワーを維持できるだろう。歯を無くしたらチャットだっていい。脳をやられたらもう知らんけどな。ボケても死ぬ間際まで喋り続けてるかもしれないな。

 

何が言いたいかって、あと何十年もバカみたいに喋りまくってたら、その分今よりも多くの人の心に届かせることもできるんじゃないかな、ってことだ。

 

いや、人数が大事なんじゃない。今俺の声を聞いてくれてる人、これを読んでくれてる人にも、また何回も響かせることができるんじゃないか。だとしたら、それは俺が生きる理由にするのに十分だし、未来への希望そのものだ。

 

メッセージを伝えたくても歌手にはなれないし、カリスマブロガーになって収入を得たり、書籍化されたりなんてできないだろう。俺はどこまでもお山の大将だよ。でもまあ、お山から声の届く範囲では、言えるだけ言ってみてもいいかもな。俺は声もそこそこデカいからな。地上3190mの北穂高岳の山頂から、下のテント場まで軽く届くくらいにはな。

 

話す内容だって、金を貰えるようなもんじゃない。ビジネスには役立たないし、うつから回復逆転するサクセスストーリーにもどうせならないだろう。ただ、思うままに口を開いて、文字を打ち込んで、それでもいいと言ってくれる人がいるなら、続けたいと思うよ。

 

30年間生きてきて、話術も文章術も交渉術も心理学も全く習ったことないから、振りかざしてるのは独学どころかただの我流拳法だけどな。省エネで日記をパターン化するのとか無理だろうな。記憶力が衰えて同じようなことを繰り返し書いてるしな。

 

それでもいいなら、我流でもいいなら、多分不定期には続けられるかもしれないな。継続は力なりって言葉、俺は世界で一番嫌いだけどな。このブログは鍵垢のフォロワー以外に見せる気はないクローズな場所だけど、なんかがいい感じになったら、別のやり方もあるかもしれないしな。

 

人を感動させるような物語は創れないし、エッセイにするには何の面白みもない人生だし、流行りの話題に乗っかってバズることもないし、オンラインサロンで信者を囲い込むこともできないけど、そのくせ喋りたい内容は無限に湧いてくるからな。ネタはどんどん出てくるよ。オチがつかないからって埃かぶってる下書きは今でもたくさんあるしな。

 

それを場所が変わろうと何十年でも続けて、一人でも聞いてくれる人がいれば、わずかでも誰かの心を動かすことができれば、俺ごときにしちゃ上出来なんじゃないか。

 

だからやっぱり、人に届いた言葉を嘘にしちゃいけないよ。これからもずっとな。俺が俺でいるためにはな。

 

言っても所詮ショボくれたモテないおっさんだから、先々には当然のように孤独が待ってるかもしれないけどな。それでも、死なない限りはひたすら喋り続けるのが一番良さそうだ。それが一番得意で、結局一番楽だからな。そういう生き物なんだ。泳ぎ続けるマグロみたいなもんだ。

 

配られたカードで勝負しろって言うなら、俺はこれ一枚だよ。ただし、降参はしないよ。

 

チームスポーツの経験もなければ、恋愛経験もほぼゼロで、人と心を通わせ合うみたいなことはこれからも多分分かんないよ。だけど、これからも俺はいつも本気で言霊をぶっ放していくよ。またいつも通り、暑苦しくて自分勝手で痛くて見当違いなことばっかりかもしれんけどな。

 

それでもたまに、誰かの心にかすりでもするなら、一瞬でも俺の言葉が届くのなら、俺はそれでいいよ。それだけでいい。

 

うるせえだろうけど、それしか俺にはないからな。

 

てめえに魅力がないのなら、それでもマジになった言葉だけは誰かに届くと信じて、それにしがみついて生きていくよ。

 

それしかないからな。