灰色の殴り書き

昔の言葉で言うならチラシの裏です

【補足あり】オーズ10周年にハッピーバースデーは言えなかった

閲覧注意。

 

この記事には現在公開中の映画、仮面ライダーオーズ復活のコアメダルに対する激しい感情的意見、批判とも言えないような不適切なネガティブ表現が含まれます。十分にご検討の上、許容できる方のみ自己責任でお読みください。

 

観ました。オーズ復活のコアメダル。

 

コロナの発熱で一回予約が流れて、なんとか劇場公開まだ終わってないのに安堵して、その日のスケジュールの最後にして余韻に浸れるようにして、万全のテンションで観ました。

 

ふざけんなよ。

 

返せよ、俺の10年。

 

ハッキリ言って、俺の感想はそれに尽きます。

 

終始そういうテンションの記事なので、もう一度言いますが意見の合わない人は閉じてください。

 

恐らく過去一、コンテンツに対しての解釈違い、公式への怒りで溢れています。

 

途中までは良かった。

 

ウヴァのミームを意識しすぎたようなひどい扱い、せっかく10年間で変わらない姿(その上メズールは妖艶さが超進化してて最高にすごかった!)を見せてくれたのにその後ろくな出番がなかったグリード、映司を殺すほどだったのに呆気なかった800年前の王、相変わらずすぎる鴻上、駆け足すぎるバースの扱い、と引っかかる点は多かれど、そこは1時間しかないVシネ、と割り切ることもできた。

 

オープニング、回想、クライマックス、泣きましたよ。ボロ泣き。テンゴーカイジャーも涙腺に来たけど、今回はそれ以上だった。

 

最終回と重なるアンクの台詞に続き、まさかと思ったらその通り、映司の声で変身ボイスを入れたところなんか本当にすごい発想だと思った。新規デザイン、どれも素晴らしく良かった。

 

だからこそ、まさか。まさかあのまま終わるとは思わなかった。

 

なんで突き放して終わりなんだよ。なんで手が握られなくて終わりなんだよ。

 

アンクが映司の顔を傷つけないように信吾の手で目を閉じてやるとか、そういう細かいところができてて、バラードバージョンに本編のオープニングなんか持ち出してきて、それでなんでこのエンディングなんだ。

 

渡部秀三浦涼介、これでいいのか。あんたらの11年間練ってきたキャラクターの終わりはこれでいいのか。ずっと信頼していた最高の役者二人と最後に解釈違いで終わらなきゃいけないのか。

 

ふざけんなよ。

 

オーズは特別なんだ。俺にとってはオーズだけは特別なんだよ。震災で津波の映像の繰り返しとACしかなくなったテレビにうんざりしてたとき、ふとテレ朝を付けたら、アンクとリングと全部のせの回で、バースデイが出てきたんだ。俺はビックリしたよ。今の特撮ってこんなに迫力あって面白いのかと。

 

そこから、マイペースだけど特撮に復帰した。ゴーカイジャーも見始めて、ダイレンジャーが出てきたりして、Wやフォーゼも最後まで見て泣いて、ウルトラマンにも再び手を出して、特撮好きに引き戻してくれたオーズへの感謝はずっと尽きなかった。個人的な話だけど、3年生でサークルにひと段落して虚脱気味だったとき、将軍と21のコアメダルで手を叩いて興奮した。就活が始まってうんざりしてたときは、MEGAMAXが最高の気分にしてくれた。

 

みんな知らないだろうけど、ロストヒーローズっていうゲームがあったんだよ。ダンジョンRPGコンパチヒーローを掛け合わせた傑作でさ、ガンダムウルトラマンとライダーが主役なんだけど、オーズがメインだったんだ。アンクがとにかく出番多くて楽しかったよ。Wとのキックだけじゃなくウルトラマンタロウとの合体技のタジャドルダイナマイトなんてのもあって、信じられないくらい愛に溢れてた。異様に難しかったけどクリアしたよ。

 

働き出してから出た2はオーズの出番減ったけどスーパータトバがいたりしてさ。ボーカル付きのBGMが流れる豪華版を予約して買って、大黒摩季の歌声をバックに必殺技はオールコンボアタックだよ。しかも声つきだ。フォーゼは違うけどオーズは本人がやってくれたよ。凄すぎるだろう。ラスボスとお気に入りキャラがタイマンしてBGMが流れて逆転するシーンがあって、俺はオーズにしてたよ。オーズはずっと俺のナンバーワンだからね。あれは最高のエンディングだった。

 

特別な作品だったんだよ。オーズだけは。

 

役者に一悶着あってお蔵入りになったりして、事実上復活が不可能になった大好きな作品も本当にいっぱいあった。あまりにも早く亡くなられてしまった、大好きな俳優さんもいた。そんな中、ずっと作品への愛を公言してくれて、仲良しでいてくれたオーズキャストは希望だった。平ジェネでも泣いた。プロデューサーばりに意見を出した渡部秀はさすがだと思った。三浦涼介はいつまでも不老の美貌を保っていた。

 

いつかの明日、という希望をずっと持たせ続けてくれていることに、いつも感謝していた。続編がいつか叶うだろう、その結末を観たいという思いもありながら、終わらせてほしくないとも常に思った。

 

そうして10年目の復活が報じられた。オーズの終わりを見ることは怖かったけど、そこは信じようと思った。予告もワクワクした。ゴーカイジャーは客演もちょくちょく派手にしてたし、純粋に楽しみにしてたけど、オーズは不安も大きかった。でも最後はちゃんと終わってくれると信じていた。

 

オーズに裏切られた。

 

あれが公式のファイナルアンサーだというなら、もうそういうことなんだろう。公式至上主義者には嫌なら見るなと言われるだろう。ノットフォーユーと言われるだろう。あれが美しい終わりなんだという人もいるだろう。気に食わなければ黙っていろ、萎えるようなことを言うなと。

 

でも俺にとっては違うんだよ。俺の10年の想いとは違ったんだ。

 

何がいつかの明日に手が届くだよ。こんなキャッチコピー許されないだろ。お前ら意味わかってんのか。比奈ちゃんにあそこまで言わせておいて、原作へのリスペクトを匂わせておいて、終わりがこれかよ。映司の死体は瓦礫にまみれて消滅したのかよ。無言で二人だけ映して、それが一丁前に余韻のつもりかよ。

 

オーズは特別なんだ。ライダー40周年で、震災の年にみんなに希望を与えようと紆余曲折を経て完結して、その上でもまだファンに話題と希望を与え続けてくれた作品なんだ。いつだって、オーズが客演するのは俺にとって特別な意味があった。

 

なんでだよ。なんでバッドエンドにしたんだ。これがトゥルーエンドだと言う人もいるかもしれないけど、バッドエンドそのものだよ。なんで手が届かない、手を握れないエンドにしたんだ。

 

お前らにとってオーズって何なんだよ。頭おかしいんじゃねえか。これで満足かよ。10年越しに役者を泣かせるだけ泣かせて、ファンを泣かせるだけ泣かせて、それで最後に裏切って満足かよ。

 

本気出して戦うのなら負ける気しないはずじゃなかったのかよ。お前らにとってオーズって何なんだよ。勝手に挑戦的なストーリーの土台にするための玩具なのかよ。何がVシネクストだよ。テレビじゃできないビターな展開が魅力ですってか。クソ喰らえとはこのことだよ。

 

アベンジャーズも、ハイローも、TRUMPも、たとえちょっとやそっと好みじゃない展開があっても黙ってたよ。Twitterでは常にいい子でいた。フォロワーと解釈違いで揉めるのも嫌だし、気に食わなかったら黙ってればよかったからな。他にも面白い作品なんて山ほどある。

 

オーズはダメだ。オーズはまだ子供だった俺にとって、ダイレンジャーと同じかそれ以上の存在で、二度目に出会ったスーパーヒーローだったからだ。オーズだけはダメなんだ。

 

オーズの全てが好きだった。映司が、アンクが、比奈ちゃんが、グリードが、ドクター真木が、伊達さんと後藤ちゃんが、曲が、BGMが、映画が、全てが好きだった。

 

なんでこんなことをされなきゃいけないんだ。特撮ファンって何なんだ。誰だよ、試写会見た後で待ち望んだオーズファンにとって求めていた全てがありますって言ってたやつは。お前は嘘つきしかいない村で育ったのか。これで満足かよ。

 

それとも、こんなに憤ってるのは日本で俺だけか。みんな満足か。お前らの好きな巨大感情、すれ違い、悲しくも美しい終わり方、看取りエンド、人の心がない、尊い、無理、そういうやつかよ。それが2022年の流行りか。だから映司は死んだのか。パンツを墓標にして死んだのか。あんなの明日のパンツでも何でもないじゃねえか。

 

俺が狂ってるのか。せっかく10年ぶりに完璧に仕上げてきたキャストたちはこれで満足なのかよ。だとしたら、俺は大好きな作品を作った大好きな人たちに対して、最後は解釈違いで二度と見たくないと思って終わらなきゃいけないのか。監督、脚本、なんなんだよ。あんたらはオーズを誰よりも知り尽くしてたんじゃ愛してたんじゃないのか。ファンの期待に答えるから安心して任せろと言ってなかったか。それがこれか。

 

オーズファンのみんなはこれでいいのかよ。俺がおかしいのかよ。脚本家、名前は覚えたからな。一生忘れることはないだろう。監督、もうあんたの名前があるから、過去のオーズを見返すこともできなくなったよ。この美しい物語の最後はあれなんだと思ったら、もう絶対に楽しめないよ。悲しいな。平成ライダーならこれを見ろ!ってオーズを人に勧めることも、もう二度とないよ。本当に悲しい。

 

映画を見てこんなに悲しかったことも怒ったこともない。こんなことばかりを書くのは間違ってるだろうけど、耐えられない。誰が何と言おうと俺にとっては駄作だ。最悪だ。映画は加点法で見ると決めてるけど、マイナス測定不能だよ。人生で一番特別な特撮ドラマの、一番待ち望んだ完結編が、人生ワースト作品になった。

 

丁寧に丁寧に作ったアニバーサリーケーキを最後にダンプカーで轢いて泥まみれにしたような、最悪の何かだ。その潰れた様が美しくてオーズに相応しいとは、俺は思わないよ。

 

何なんだこれは。オーズは希望の物語だと思っていた。手を伸ばす物語だと思っていた。何だこれ。意味がわからねえよ。なんでWからの風都探偵みたいにできないんだ。これほど愛に溢れた役者が残ってくれてたのに。勿体ないなんて言葉じゃ足りないよ。全部をダメにした。

 

粗いんだよ。10年映司が求めた答えがよく分からないけど瀕死で握りしめたら蘇った、って、よく考えたら雑すぎるだろ。なんでドクター真木=恐竜グリードは甦らなかったんだよ。古代の臣下じゃなかったからか。紫だけは別に意思は残ってなかったんですか。神尾佑さんのスケジュールが取れなかったんですか。グリードは4人せっかく揃ったのに結局メダル供給の舞台装置ですか。さんざん揶揄された復活怪人枠のときとさして変わらずに。デカいデカいとだけ言われてた映司の欲望って何なんですか。今作でまで引きずる必要あったんですか。なんで映司はアンクを願い一発で蘇生させられたのに逆はなかったんですか。比奈ちゃんが何も間に合わなかったなら飛び出すシーンは不要だったんじゃないですか。映司の願いはアンクともう一度手を繋ぐことじゃなかったんですか。アンクと比奈ちゃんの欲望、願いはそこにないんですか。本来の映司の出番少なすぎませんか。

 

アンク憑依映司のビジュアルは最高だったじゃん。今度はこの姿で映司が復活できる道を探す、そういうエンドでも良かったんじゃないのか。もうこれ以上続編は作られないとしても、そういうエンディングで希望を繋いでくれても良かったんじゃないか。なんで3人は二度と手を繋げなくなっちゃったんだ。

 

もうオーズにこの先はない。次はない。商業的にでなく、物語として。あったところで、俺は見たくない。もうオーズは見たくない。なんで、なんで大好きなオーズを10年ぶりに見てこんな気持ちにならなきゃいけないんだ。

 

新規のガワは格好良かったじゃん。尺と予算が足りないから曲は流せないし他のコンボは出せないしアクションはなんか控えめで最終戦もあっさりだったのかもしれないけど、それならそれでいいよ。でも、だからこそドラマ部分だけは昔からのファンを裏切っちゃいけないんじゃなかったのか。これが本当に最良だと思ってるのか。

 

また言うけどさ、将軍〜は最高だったよ。俺はドクター真木と和解してほしい派だったし、イロモノ路線と思いきや手を繋ぐってテーマに真摯で、欲望を肯定して、オールコンボで派手に盛り上がって。グリードも楽しそうに生きてて、きっとあの世界だと奴らなりに共存してるのかな。そんなことを折に触れてはこの10年間いつも考えてた。

 

MEGAMAX以降のアンク客演も良かったよ。キャラクターをすごく丁寧に描こうとしてるのが伝わってきた。やりすぎて作品乗っ取るほどだったけど、俺は嬉しかった。

 

どうせまたやらかすなら、最後は鴻上の欲望として自らがオーズになってラスボス、それでも良かったんじゃないか。この後に及んで人造グリードて。純粋悪すぎるだろ、鴻上。これは俺の希望だけどさ。最推しドクター真木も声だけでも出てほしかったよ。彼ならきっとよき終末を作ってくれたんじゃないか。映司にコアメダルを埋め込むとか、何でもいいからさ。素人の俺でさえこれだけ思いつくんだ。なんで、なんでお前らにそれができなかったんだよ。

 

二十歳になってから出会った、思い出の最高傑作。

 

オーズ10周年のハッピーバースデーを祝って、よき終末に拍手を贈りたかった。

 

それが叶わなかったことが、もう二度と夢を見られないことが、気持ちが食い違ってしまったことが、ただ悲しい。

 

さようなら、仮面ライダーオーズ

 

 

 

【捕捉】

https://note.com/s_fujika/n/n4e6cf0e15948

 

こちらの記事を拝読した。

 

曖昧な記憶も多々ありつつ書き、また勢いに流されるところも多かった自分とは違い、本編と劇場版を何度も視聴された方による、熱くも論理的で緻密な批判・矛盾指摘の記事。

 

悲しい気持ちは増しつつも、救われもした。

 

本記事を書いたときはあまりに感情的になっており、ネット上での評判を検索することも避けたいたため、本編および他の劇場版の脚本・監督陣との区別が付いていなかったこと、本編との矛盾について冷静な分析をしていなかっあこと、また何よりキャストの心中について舞台挨拶などの情報収集をせずに激情に駆られた表現をしてしまったことをここに深く謝罪したい。

 

本来であればすぐに削除または修正すべき記事なのだが、まだそこまでの決心はついておらず、取り急ぎ緊急対応として補足を書き記す。

 

今はただ、自分以上の思い入れを持って時を過ごし、自分以上の期待を持って作品を迎え、自分以上のショックを受けられたファンの方々に、対し、せめてその悔しさ悲しさを共有したいと心から思う。

 

そしてこの素晴らしい作品をつい先日まで築き上げてきてくれた今回のメンツ以外の制作陣への敬意を改めて払いたい。

 

何よりも、無念な思いも大きかったであろう中、企画を崩壊させることなく、プロとして熱量の劣らぬ演技を見せてくれた役者陣を尊敬する。しかし、だからこそ、その心中は察するに余りある。せめて、何らかの形で今作以前のオーズへのファンたちの溢れる愛情が彼らに届くことを、願ってやまない。

 

今は自分の吐いた言葉を単純に取り消すことも相応しくない気がして、これだけの補足に留めたい。

 

オーズを愛し、だからこそ憤っている多くのファンと、10周年を最高の形に彩ろうとしてそれが叶わなかったキャストたちへ、本当に肯定できる「いつかの明日」がどんな形であれ訪れることを、祈りたい。