灰色の殴り書き

昔の言葉で言うならチラシの裏です

灰色から、一生のお願い

ずっと見守ってくれている灰色フォロワーへ。

 

今日は、「あなた」「みんな」と呼びかけることを許してほしい。

 

そして、これまでで十分すぎるほど恥も何もかもさらけ出し尽くしたけれど、それでも恥を偲んで頼む。

 

一生のお願いだ。

 

どうか、協力してくれ。

 

俺の大切な人たちのために。

 

勘のいい人はもう察したと思うが、Finallyのことだ。

 

呆れ返ってこの時点で閉じようとする人もいると思う。ただ、どうかもう少しだけ、読めるところまででいいから読んでほしい。

 

何度も言うけれど、そしてみんな聞き飽きてると思うけれど、また言わせてくれ。

 

俺は一回死んだ。

 

ご存知の通りだ。

 

比喩ではなく、限りなく文字通りの意味で。

 

そこから、みんなに助けられた。

 

どん底からさらに底が何度も抜けて、落ちた衝撃で手足が折れて這い上がれなくなったところから、みんなに引き上げて救ってもらった。

 

よく生きてられるな、と我ながら思う。

 

みんなのおかげとしか言いようがない。

 

それからも半年くらい、ひたすら死なないように、ただ毎日生きながらていた。

 

ちょうど一年くらい前からのことだ。

 

あるいはもっと前から、休職する前からだったかもしれない。

 

 

そうして日々息をしているだけだったところに、突然、光が見えた。

 

Finallyに出会って、俺は活力を取り戻すことができた。以前よりも、ずっと。1年、3年どころか、10年ぶりかもしれない。

 

失ったものよりも、未来に目を向けられるようになった。自分のことも、また少しずつ好きになれた。

 

ありったけの好意を向ける対象ができて、落ち込むことがなくなった。

 

みんなが長らえさせてくれた生命に、Finallyがエネルギーと、意味をくれた。

 

そうして、灰色が今ここにいる。

 

半分はみんなのおかげで、半分はFinallyのおかげで、今ここで人間として成立して笑っていられる。

 

 

その大切な人たちが、Finallyが、いなくなるかもしれない。

 

3月26日。

 

彼女たちは、格上のバンドメンバー4人を呼んで、過去最大のワンマンライブを行う。

 

新宿の、これまでのLIVEでの動員より、はるかに大規模な会場で。

 

キャパは、780人。

 

みんなの推しているドームアーティストからしたら、小さすぎて全くピンと来ない数字かもしれない。

 

なんせ、俺の減りまくったフォロワー数のさらに3分の1強だ。

 

それでも、多い。

 

1月に開催した単独ライブの集客が、およそ120人弱。

 

初見さん優遇キャンペーンを打って、なんとかその数だ。

 

しかも、そのうち8人は俺が誘った一派だ。

 

その約7倍。

 

はっきり言って、厳しいと思う。

 

とりあえず俺が誘って10人強は確保したけれど、まだまだ程遠い。

 

現実的な話、会場のキャパ設定は寿司詰めを想定しているだろうからもう少し甘く見るとしても、成功というには400人以上は必要だろう。

 

ものすごく、厳しい。

 

 

その結果、これが失敗に終わったら?

 

この日、このLIVEが上手くいかなかったら?

 

動員が芳しくなかったら?

 

Finallyは、解散する。

 

 

メンバーが言ったわけではないが、俺は本気でそう思っている。

 

五分五分どころか、七、八割の確率で。

 

俺は、それをなんとかして回避したい。

 

生まれて初めてできた、推し。

 

生まれて初めて、応援したいと思った人たち。

 

生まれて初めて、彼女たちのおかげで、俺は夢を見ることができた。

 

彼女たちが夢破れて、解散するところを、見たくない。

 

そして、そのときに、やり残したことがあると感じたら。

 

もっと頑張れていたらと感じたら。

 

俺は一生後悔する。

 

だから、その日が来るまで、何もかもできることはやると決めた。

 

自分のために。

 

灰色が灰色でいられるために。

 

 

解散とは飛躍しすぎだ、と言われそうなので、具体的に書く。オープンの方では触れられないことだ。

 

Finallyは、アイドルグループとしては、異色なほど平均年齢が高い。地下アイドルとしては尚更だ。

 

95%以上のグループが10代後半〜20代頭をメインとしている中で、彼女たちの年齢はというと、

 

今年で最年少のTinaと Aoiでさえ、24歳。

 

中間のMegとHarunaは、26歳。

 

最年長組、リーダーのJuriとRinkaに至っては、28歳になる。

 

異様な平均年齢の高さ。

 

もうアイドルを引退して、第二の人生を歩んでいる人がほとんどという世代だ。

 

解散した大手グループのWikiをいくら見ても、彼女たちより歳上のメンバーはいない。無論、現役なら尚のことだ。

 

この歳まで頑張ってきて、それでも商業的に芽が出なかったら、ほとんどのアイドルが引退しているか、あるいは数少ない例外がいたとしても、武道館なんて大きな目標を掲げることはせず、よりコアな活動にシフトしているだろう。

 

俺個人は、アイドルの年齢などこのご時世に気にするものではないと思う。疎い上に例が適切かも分からないが、彼女たちにはたとえば相川七瀬森高千里中森明菜のように、今後もずっと活躍してほしいと思う。

 

結婚しても出産しても、また時間を置いてから、ステージに立ってくれたら、と思う。

 

でもこれは当然、俺の身勝手な願望に過ぎない。

 

 

彼女たちよりひと回り下でも、武道館で嬉し涙を流すアイドルや、テレビに出て国民的ともてはやされる女の子は、山ほどいる。

 

同世代どころか、メンバーと同じ養成所の出身で、某グループとしてスターの地位まで昇り詰めた友人もいると聞いた。

 

もちろん、その影には星の数ほど、苦渋を舐めて道を諦めた人たちがいるだろう。

 

けれど、そのほとんどは彼女たちよりもずっと早く、試合を降りた。

 

であれば、彼女たちはどれだけの別れを経験して、どれだけの戦友を失って、どれだけの葛藤を繰り返したのだろう。

 

 

グループ名は「Finally」。

 

その意味は、「最後の挑戦」「夢の終着点」だという。

 

人生初の推しは、美しく滅びるために結成されたグループだった。

 

凄まじく、格好良く、そして、哀しかった。

 

 

そこまで彼女たちに覚悟をさせたものについて、知ることはできない。

 

代表曲「WILD BRAVE」には、「悔しさで涙も出ないような日々を越えてきた僕ら」という一節がある。

 

鬼滅の紅蓮華を作曲したり、FANTASTICSに楽曲提供をしている草野華余子女史が、上述した結成の経緯や、彼女たちの不退転の決意を聞き、作詞したという。

 

果たして過去に、青春時代を費やしてきた日々に、どれほどの艱難辛苦や理不尽があったのだろうかと、思わずにはいられない。

 

年齢層の高さと同様に、最年少2人以外のメンバーは芸能活動歴も極めて長い。

 

西川兄貴に語ったところによれば、Harunaのアイドル歴は9年を超えるという。

 

Megは10代の頃からソロシンガーとして路上に立ち、誰にも足を止められない時期を過ごしたと語っていた。

 

JuriとRinkaは同じ養成学校の出身だが、およそ人生の半分以上を芸能の道に捧げ続けてきたのだろう。

 

そんな彼女たちは、前身グループで3年と少し活動していた。Tinaはその頃からで、Aoiは最後の一年から、らしい。

 

俺はその頃のことはわざと調べないようにしているが、今のファンのほとんどはその頃からの古参だ。俺のように、Finally時代からの新参者は極めて少ない。

 

長くアイドル活動をする中で、地上に出るチャンスを渇望した彼女たちは事務所に直談判し、無所属・マネージャー不在のセルフプロデュースグループとして、一曲も持たないままに独立した。

 

権利上、彼女たちの過去の楽曲は事務所に属し、今はレッドアイという別のアイドルがパフォーマンスしているそうだ。

 

ファンのほとんどは、Finallyと同様かそれ以上にそちらのLIVEにも参戦しているが、俺は可能な限り避けている。どう振る舞っていいか分からないからだ。もっとも、メンバー同士は仲が良く、今では生誕祭に呼ばれるほど関係性は良好らしいが。

 

 

何もかもを捨てて、何もかもを背負って、何もかもを覚悟して、彼女たちは独立した。

 

事務所にも、プロデューサーにも、マネージャーにも庇護されないままに。

 

そうして一から何もかもを作り直し、蜘蛛の糸より細いチャンスを手繰り寄せてきた中で、俺は偶然Finallyに出会えた。

 

諦めずにいてくれてありがとうと、心から感謝している。

 

だからこそ、絶対に終わってほしくない。

 

彼女たちが力尽きて、いなくなってしまうことを、二度と見られなくなることを、受け入れられそうにない。

 

 

彼女たちには、時間がない。

 

他のグループなら、失敗から立ち上がって、何度も試行錯誤して、挑戦することもできるだろう。

 

事務所が上手くストーリー仕立てにしてくれるかもしれないし、マネージャーが適したステージを用意してくれるかもしれない。

 

Finallyには無理なのだ。

 

セルフプロデュースで、コネも後ろ盾もなく、しかもアイドルとしてはベテランの域に入る彼女たちが日本武道館に辿り着くには、最短最速で、ほとんど見えないほどに小さい勝算を、掴み取り続けなければいけない。

 

全てが背水の勝負。

 

ワンミス、即、終了。

 

まるで漫画の世界、スラムダンクアイシールド21のトーナメント戦のようだ。

 

違うのは、Finallyは桜木花道でも小早川セナでもなくて、「次」はないことだ。

 

だから彼女たちは、半ば狂気的なほどの努力を重ねている。

 

週4〜5回、週末には一日2回が珍しくないLIVE数をこなしながら、全ての企画を自分たちで進めている。

 

午前中、ボイトレや振り付け。昼、LIVEと特典会(ファンとチェキ撮ってトークしたりするやつ)。移動してもう一本LIVEと特典会。その後、18時から24時まで全体レッスン。翌朝、午前中から遠征してLIVE。

 

これがFinallyの日常だ。アルバイトすらしていない彼女たちは、文字通り24時間365日を懸けている。

 

自撮りをする暇すらない日も多々ある。日付が変わってしばらくしてから、俺のツイートへメンバーたちが一斉にいいねしてきたときには、嬉しいよりもただひたすら心配になった。

 

そんな彼女たちが報われてほしいと、悲願を叶えてほしいと、祈ることは間違っているだろうか?

 

現実は甘くない、なんて斜に構えるには、俺は彼女たちのことを好きになりすぎた。

 

 

熱を入れ込みすぎだとお思いだろう。

 

お前がそこまで気合いを入れるのはお門違いだと。もっとふさわしい古参ファンがいるはずだと。

 

もっと純粋に、楽しんでだけいればいいと。

 

俺もずっとそう思っていたよ。

 

でも、違った。

 

俺しかいなかったんだ。

 

 

俺がTwitterで騒ぐようになってすぐ、地下アイドル特有のエゴサ能力で彼女たちは俺を見つけてくれて、Tinaは初めましてを言った瞬間に「知ってる!」と返しやがった。

 

俺の性格をご存知ならお分かりだろうが、もうこの時点で降参だった。

 

その後しばらくして、一度も話したことのないメンバーさえも、初めましての前に灰色くんだ!やっと話せた!と喜んでくれた。

 

何もしてないのに。

 

noteを書いたら、オーバーなくらい喜んでくれた。

 

自分たちもガチガチに緊張しているのに、トークを半ばぶった斬ってまで、西川兄貴に俺のことを話してくれた。

 

スタッフさんのおかげでメールを読まれると、俺が武道館のDVDをプレゼントしたことにも触れて、「熱がすごいもんね、もう」「じゃあ灰色のおかげで俺のことも知ってくれてるんだ」というコメントまで引き出してくれた。

 

夢を見ているのかと思った。

 

それが、初めてLIVEを見にいってから、一ヶ月足らずの出来事だ。

 

 

それからも、俺なんかの書く記事を、スタッフの子たちまで含めてみんなで読んでくれている。

 

大阪では、メンバーの母親にまで「いつもありがとうございます」と言われてしまった。

 

ありがとうございますはこっちの台詞なのに。

 

あなたの娘さんは、俺の命の恩人なんだから。

 

 

Megは年賀状に「よっ、広報隊長!」と書いてくれて、単独ライブの後日には「MVPやんな!」とまで言ってくれた。

 

Rinkaは「プレゼンの神」と、ただ自分の欲求から布教チケットの代行をしている俺に、身に余るほどの賞賛をくれた。

 

他にも、彼女たちからもらった言葉の宝物は、数えきれない。

 

ハッキリ言って、同じファンから貰う量の100倍くらい、彼女たちには褒めてもらっているし、感謝してもらっている。

 

俺はただ、やりたくてやっているだけで、やらずにはいられないからやっているだけなのに。

 

こんなはずじゃなかったけれど、今の俺にとっては、それが何よりも嬉しい。

 

何よりも大きな生きがいになっている。

 

Finallyを応援することに依存している、と言ってもいい。

 

こんなはずじゃなかったのにな。

 

 

けれど、その圧倒的な実力に対して、彼女たちにはファンの質と量、そしてチャンスが、圧倒的に足りない。足りなさすぎる。

 

ここから先はロクでもない内容が続くから、前置きとして、決して全員ではない、と書いておこう。ごく一部についてだと。

 

 

 

これこそオープンになった本アカでは言えないことだが、ワンマンを目前に控えたこの時期に、他のファンが何をしているかといえば、一部に関しては端的に言って誉められたものではない。

 

実にくだらない、子供っぽい理由で大の大人たちが駄々をこね、公式にケチをつけている。

 

ほんの少し客観的になれば、信じられないほどに幼稚な論理でだ。

 

それを、自分たちが一番課金している、動員に貢献している、これまで支えてきた、という大義名分を振り回して、主張している。

 

しかも、その大義名分が的外れじゃないのだからタチが悪い。

 

地下アイドルのジレンマと勝手に読んでいるが、おまいつ(お前いつもいるな)と呼ばれるようなファンは、他に予定がないから、アイドル現場を最優先できるからだ。全通できるのだ。もちろん善良な人格者が多いものの、相対的に人間性・社会性に疑問のある者も多くなる。

 

逆に他のコミュニティへのコミット率が高い人間ほど、人格は相対的に安定しているかもしれないが、参加率は間違いなく低くなる。ひとり単位の動員が最優先となる地下アイドルの現場では、前者もできる限り大切にして、誠心誠意対応しなければいけない。

 

実に露悪的な物言いだし、俺こそその厄介オタクの急先鋒だと言われれば返す言葉もないが、このような単純すぎる問題は残念ながら現実にあったし、もっと醜かった。アイドルは先入観を覆すほど素晴らしいものだったけれど、そのファンは予想よりもずっと玉石混交だった。

 

けれど、俺がどんなに動いても、平日夜に毎回5人10人と動いてくれる人間を集めるのは、そう容易ではない。せいぜいがこの間の単独ライブのように、決め打ちで誘いまくり、自腹でチケット代を払って呼び込むくらいだ。

 

そんなわけで、この時期に学級会で内紛を起こすことこそ全体にとっては最悪なので、俺は表立って動くことはせず、苦しそうなスタッフの子たちに「自分は100%味方だ」と伝えるに留めた。

 

そう言いつつ、最大派閥に一人で正論をぶつける勇気がなかったのも事実だ。俺は卑怯者だ。

 

話を少し聞くだけで、どれほど厄介な相手でも容易にレッドカードを出せない苦しみが、痛いほど伝わってきた。しかも、同じようなことはこれまでもあったという。彼女たちの葛藤は、想像するに余りあった。

 

彼女たちは、全力で挑んでも分の悪い賭けに挑もうとしている最中なのに。

 

お山の大将のおっさんどもが、死ぬ気で頑張ってるアイドルを困らせるなよ。

 

カスみたいな集団意識、アイデンティティに依存して、自慰行為で女の子を泣かすなよ。

 

一瞬でも、しなくていい悩みごとに、時間を浪費させるなよ。

 

何百万円の金と、何年の時間をかけてきたとしても、彼女たちの方針に反して道を邪魔するなら、黙って去るしかないだろう。

 

心からそう思う。

 

怒りが湧き上がった。

 

だから俺は、たとえば今後大規模な飲み会か何かがあっても、顔は出さないと決めた。

 

異物の俺もやっと受け入れられはじめたようだが、酒でも飲んだら大噴火は確実だからだ。

 

幸い、俺は友人に恵まれているから、何の問題もない。

 

ただ、これを読んでLIVEに行きたくないと思った人がいたら、心からお詫びする。不適切な、俺にしたって度を超えている悪口だと思うが、抱え込むには限界だったから、みんなにだけは吐き出させてもらった。

 

もちろん、バレたらオタク内で村八分にされるのは間違いないが、見つかる確率はそんなに高くないだろう。多分。見つかったところで構わないが、彼女たちを悲しませることだけはしたくない。こうして本音をぶちまけていることがそうだ、と言われたらそこまでだが。

 

 

そういうわけで、他の誰にも頼れない。

 

俺の半分も知人を動員できたやつは、俺の三分の一もワンマンのチケットを売れたやつは、5年間応援してる連中の中に一人もいなかった。

 

同じように、俺ほど状況を深刻視してるやつも、死に物狂いになっているやつもいないだろう。

 

俺はまだLIVEに行くようになって4ヶ月足らずなのにな。

 

 

俺の気負いすぎ、思い込みすぎ、空回りだと、何十回も思い直そうとした。

 

だけど、どうもそうじゃないみたいだった。

 

件の問題が表面化するのと前後して、俺は実に気持ち悪い、14000字にも及んでメンバー全員への愛を書き殴った記事をアップしていた。ひたすら賞賛しながらにやけて転げ回ってるだけの記事だ。

 

それがあるメンバーに、すごく喜ばれた。

 

「これまで出会った中で、灰色くんほどFinallyに尽くしてくれる人いなかったよ!」

 

耳を疑った。

 

また何人かには、新規勧誘なりnoteなり、俺は俺のやり方で頑張る、みんなの味方としてその正しさを証明する、と伝えた。

 

一人がこう言った。

 

「本当にありがとう。灰色くんのその言葉に、私たちがいつもどれだけ救われてるか……」

 

天を仰ぎそうになった。

 

何を言わせてるんだ、俺は。

 

情けなかった。自分も、それ以外の連中も。

 

ただ、喜んでくれればよかったのに。

 

 

救いだなんて言わないでくれ。

 

初めて見てからずっと、救われてるのは俺の方だ。

 

みんなはすごいアーティストなんだ。

 

俺なんかの手が届かないくらい遠くまで行ける人たちなんだ。

 

それなのに。

 

俺ごときに無意識でもそう返してしまうくらい、彼女たちはギリギリなのか、と思った。

 

ポルノで俺が一番好きな「ネオメロドラマティック」に、「君の『愛して』が 僕に『助けて』と確かに聞こえた」という歌詞がある。

 

妄想だと笑われても構わない。

 

俺はたった45秒の間に、痛いほどの「助けて」を聞いた。

 

 

今度のワンマンが失敗したらと考えるのが、前よりずっと怖くなった。

 

彼女たちの心を折らせたくないと心底思った。

 

こんなことを言わせてしまう奴らへの怒り、呆れ、悲しみも、何もかもを文字に変えて、たった一人でもやってやろうと思った。

 

そうして、毎日連載を始めた。

 

 

幸い、俺は一回死んだ身だ。

 

それに何より、こうして本音を聞いてくれるみんながいるから、怖いものはない。

 

ただ、事実として、俺しかいないみたいだった。

 

あの言葉を、上手く俺をのせるためのリップサービスだと受け流すことは、俺にはできなかった。

 

「救われている」と言った瞬間の彼女を信じず、嘘つきにしてしまうことは、できなかった。

 

みんなも知っているだろう。

 

俺は、俺の言葉を聞いてくれた人を、嘘つきにはしない。絶対に。

 

俺の言葉を誉めてくれた人に恩返しをする、それだけを行動原理として、生きる。

 

そう決めているからだ。

 

だからやっぱり、俺がやるしかないみたいだ。

 

 

これほどマイナーな(と、あえて言う)芸能人を推している人は、フォロワーにも多くないだろう。だから難しいかもしれないが、どうか想像してみてほしい。

 

もし、あなたが俺と同じ立場だったら。

 

EXILE TRIBEのあるグループが、俳優が、アーティストが、アイドルが、同じ状況にあったら。

 

目の前に、その人たちが進退をかけている日が迫っているとしたら。

 

その日をきっかけに、命の恩人が、いなくなってしまうかもしれないとしたら。

 

あなたもきっと、なりふり構わずできることを探そうとするのではないだろうか。

 

他の誰でもない、自分自身が後悔しないために。

 

俺にとっては、メジャーかマイナーかなど関係ない。

 

彼女たちが俺を救ってくれたことだけが事実だ。

 

たまたま、まだ知名度がなくて、俺以外にマジになってるやつが、メチャクチャやれるやつがいないだけだ。

 

だから、俺がやる。

 

できるから、やりたいから、そうする。

 

 

フォロワーのみんなが認めてくれて、育ててくれて、時には救われたとまで言ってくれた、俺の言葉の力。

 

Finallyのみんなも同じように認めてくれて、育ててくれて、時には救われたとまで言ってくれた、俺の言葉の力。

 

たった一つの武器。

 

その全てを懸けて、3/26まで、できることを全てやる。

 

俺のために。

 

 

ここまで長々と書いてきて、まだ付き合ってくれている人は誰かいるだろうか?

 

それは分からないけれど、記事の結論はもうお分かりだろう。

 

できることなら、3/26のLIVEに来てほしい。

 

チケット代はもちろん俺が出すから。

 

遠方で交通費がかかるなら、できる限りそれも出すから。

 

どうせ、裁判が終わったら半分は持っていかれる金だ。ちょっとやそっと失ったって、どうってことはない。

 

もちろん、その前に一度見ておきたいなら、いつでもLIVEに来てほしい。

 

チケット代はいらないから。

 

もっと根本的に、灰色と初めましてが面倒そうなら、事前にメシでも食べに行こう。

 

メシでも酒でも、全部奢るから。

 

だから、新宿BLAZEを埋める一人になってほしい。

 

お願いだ。

 

 

けれど、それが難しいことも分かっている。

 

みんなの予定に割り込むことが、足を踏み出させることがどれだけ大変かは分かっている。

 

だから、来れる日に来てくれるだけでも死ぬほど嬉しい。

 

でも、それも多分難しいだろうから。

 

公式か、俺のnoteを、RTするだけでもいい。

 

いいねを押すだけでもいい。

 

ファイナリーの名前を入れてツイートをするだけでもいい。

 

MVを再生するだけでも、サブスクで一曲聴くだけだっていい。

 

 

ただ、アイドルとか地下とかの先入観と偏見にとらわれずに、彼女たちを一目見てほしい。

 

数分だけでも、その存在に触れてほしい。

 

俺の大好きなみんなに、俺の大好きなFinallyのことを、わずかでも知ってほしい。

 

ハイローに触れて、みんなに出会って、人生が楽しくなったように、今の俺にとってのFinallyは、それだけ替えの効かない存在だから。

 

ハイローの名前を出すのは卑怯だと言われても構わない。

 

俺がハイローに教わった一番大きなことは、先入観を捨てて飛び込むことだから。

 

俺がハイローに貰った一番大きなものは、みんなとの繋がりだから。

 

 

できる範囲でいい。

 

俺に、それを確認する方法なんてない。

 

これから先、さらに追い打ちで個別にDMするかもしれないけど、それもスルーしてくれて構わない。

 

こんな風に土下座するみたいな記事を投稿すること自体、邪道だってのは分かってる。

 

お涙頂戴、判官贔屓、何と言ってくれても構わない。

 

ただ、それでも俺は、みんながそうやって唾を吐きかけることはしないと知っているから、話だけは聞いてくれると信じてるから、ここまで書いてきた。

 

ここまで1万字近く書いたのが一回消えて、それでもまた9千字ちょい書いた。

 

一人にでも、あなたにだけでも伝われば、あなたの3分だけでももらえれば、と願って。

 

 

一生のお願いだ。

 

どうか、協力してくれ。

 

できる範囲でいい。

 

力を貸してくれ。

 

俺の大切な人たちのために。

 

一生のお願いだ。